エンハンサー ( Enhancer ) とベース・アンプ ( Bass Amp. )
エンハンサー

前回、” 音ヌケ ”の話をしました。” 音ヌケ ” が良くなる エフェクター が エンハンサー です。
これもメーカーや方式によって、エキサイター等、色々の呼び方がありますが、
エンハンサーが広義の呼び方と思われます。
この原理は、
「原音はそのままで、倍音を加え、その倍音を変化させると、聞き取りやすくなる(音ヌケが良くなる)。」そうです。
よく分かりませんので、現実的、体験的な僕の使い方を紹介します。

SWRのアンプでして、オーラル・エンハンサー(Aural Enhancer)というツマミが付いています。
フロント・パネルのスイッチでプリの on、bypass が切り替えられるので、
普段はアウト・ボード・プリで音を作り、アンプのプリはバイパスしてます。
前出のように、皆で音を出すと自分の音が聞こえ難くなることがありますので、
その時にアンプのプリをオンにます。
(このアンプは、プリを通すとオーラル・エンハンサーも通ります。)
セッティングの時に、
- アンプのプリはバイパスしてアウト・ボード・プリで音色を作ります。
- アンプのプリをオンにして、EQ で同じような音色を作ります。
- オーラル・エンハンサーのつまみを 11~13 時位の間にして、音色の変化を聞きながら、アンプのプリの EQ を微調整して、同じような音色にします。
リハーサルでアンプのプリを bypass で演奏してみて、聞こえ難くなったら、スイッチを押してアンプのプリを on にします。
あら、不思議? ベースが聞こえるようになりました。
(聞こえ難くならない時は、そのままアンプのプリは bypass。)
僕のアンプの特性かもしれませんが、一人で演奏している時の音がオーラル・エンハンサーをかけると、軽くなるというか… ” 腰抜け・スカスカ ” って感じなのです。
しかし、不思議に皆と音出しているときには、” ちゃ~んと ” 聞こえるのです。
謎のエフェクトです。
レコーディングの時は必要に応じて後からかけますから、問題はないでしょう。
ライブでは、ステージ上で聞こえやすくする訳ですから、単体のエンハンサーは D.I. の後(アンプ前)に入れないとこの ” 腰抜け・スカスカ ” 音をPA卓に送ってしまいます。
注意してください。
順序が変ですが、アンプのことが出てしまったので、アンプの話です。
ベース・アンプ
アンプ本体をヘッド、スピーカーを入れてる箱を(スピーカー)キャビネットと言い、
ヘッドとキャビネットが分かれているものは、” スタック・タイプ ”、
一つになっているものを ”コンボ ” (コンボ・アンプ)と言いますが、
コンボでもヘッドはキャビネットとは別の枠内に入っています。
スタックのものはキャビネットを増設したりと拡張性が高く、大出力のものが多いです。
低音を豊かに出力するには、スピーカーの表面積を大きくする必要がありますので、
昔のベース・アンプはスタックが多く、コンボでも大きかったです。
最近は小型の(コンボ)アンプでも良いものが多く出てきまして、大助かりです。
他の楽器用のアンプもほぼ同じです。
フロント・パネル

左から
Input:ベースからのケーブルを差し込む。
下 Phantom Power:キャノン(XLR)コネクターを使うピックアップに電源を送るためのものです。
Gain:プリに入る信号量を調整します。最大入力(ベースを一番大きな音で弾いた時)でピーク・ランプ ( Preamp Clip ) が点灯するようにします。小さすぎると ” ノイズが気になり ”大きすぎると ” 歪みます。”
下 -10db Pad:出力が大きな楽器の時に押します。入力を下げて、ツマミを使い易い位置にします。
Phase:稀にPAからの音とアンプから出ている音が逆相になることがあるらしく、その時に相を合わせる(+-を入れ替える)ためのスイッチ。
Aural Enhancer:↑ で説明したツマミ。11時~13時で使用しています。
Bass:低域をコントロールします。クリックがあり、そこを中心に +- 出来ます。外のツマミでその周波数のピークを 40~200Hz に変えられます。
Mid Range:中域コントロール。↑ 同様 250~1250Hz に可変。
Treble:高域コントロール。↑ 同様 1500~7500Hz に可変。
下 in out:この EQセクションの on、 bypass をします。
Effects Blend:エフェクトループ(エフェクター#01参照)原音とエフェクト音の比率を変えられます。
下 Effects Bypass:この回路の on、 bypass(使用したことがないので bybass)。
Compression:コンプレッサー(エフェクター#02参照)です。
ステージ周りの環境しだいで、9時~14時。
Master:ボリューム。
下 Mute:このアンプからの全ての出力を切ります。
電源は on のままで、ステージから降りている時などに ” Mute ” にします。
リア・パネル

左から
INPUT POWER:電源コードを差し込む。
Speaker Output:外部スピーカーを使用する時に接続します(スピコンという端子)。
Internal Speaker:内蔵スピーカーのon off。一応、電源の on off 時に off にします。
Effects
Send:エフェクターのイン側を接続。
Return:エフェクターのアウト側を接続。
↑ Effects Blendでコントロール出来ます。
Head Phones:ヘッドフォンを接続。
Tuner:チューナーを接続。
Effectからのこの4つの端子は使ったことありません。
D.I. セクション
Balanced Output:ここに音響さんのケーブルをつなぎます。
上 フォン端子も同じ信号が出力されているようです。
右 XLR GND Lift:このバランス・アウト信号にノイズが乗るときに、アースを浮かせます。
ノイズが乗っていると音響さんが来てスイッチを入れます。
Pad:出力の調整。音響さんから、出力レベルへのリクエストがあった時に、上げ下げします。
9 時位で使ってます。
Line Direct:プリ・アンプで解説した Pre と Post のことです。
Line:プリを通した信号。(Post)
Direct:プリの前の信号。(Pre)
↑ エンハンサーの解説通り、Direct の方で使っています。
小型ですが十分な出力があり、ライブ・ハウス~キャパ 1000 程のホールに対応できます。
残念なことに SWR はなくなってしまいました。