やさしい音楽理論-楽器編#05

ベースのメンテナンス#2

加茂水族館のクラゲ

前回では触れなかったパーツや
電装系(ピックアップ等)を中心に
日々のお手入れ、お掃除などの話です。

電装系

ピックアップ

ネック、ブリッジの調整が済んだら、ピックアップと弦の間隔を調整します。
ピックアップを止めているネジで上下します。
弦とピックアップの距離が近ければ大な音がしますが、
近すぎると濁ったような音に聞こえ、離し過ぎると小さく痩せた感じの音になります。
弦のゲージ(注16)によってもこの間隔は変わると思います。

2~4mm位が一般的です。
フロントとリアで、1弦側と4絃側でと、多少変えるのもありだと思いますので、
自分のプレイスタイルに合った調整が必要と思います。

強く弾きたい人は広めに取るとよいでしょう。

(注16)弦のゲージ:弦の太さ。

ポット、ジャック、プラグ

これらのパーツは、電子部品です。
プラグ以外は、楽器の中に入っているので「見たことあるような気がする。」程度のパーツですが、
これらを介して信号が流れて行くので、知っておかないとトラブルの原因が分からずに難儀することもあるでしょう。

ポット:可変抵抗器
ポット
通常見えない

実は消耗品です。
このシャフトの先に
ノブ(注17)が付いているので、シャフトが回転します。
ノブを回したときに時に、
”ジャリリィ”とか”ガガッリ”と音がするようになってしまいます。
”ガリが出る”と言います。
そうなったら交換です。

ガリが出ないように長持ちさせるためには、
弾かない時は、各ノブを0(1番左に回し切った位置)にしておきましょう。
(アンプも同様にしましょう。)

ジャック
ジャック
シールドを差し込む所

これは、ポットより消耗が早いです。
ポットはノブを回す時にだけガリが出るなら、騙しだまし使えますが、
プラグを楽器にさしてる状態で振動やら何かの拍子にガリが出ます。
音響さんの機材を壊す可能性もありますので、速攻、交換しましょう。

以前は仕事が多かったのでガリが出る前に毎年替えてました。

プラグ
プラグ

シールド(線)の両端についています。これをジャックに差し込んでアンプと繋げます。
プラグのクビレとジャックの出っ張りがかみ合って信号が流れます。結果、ジャックの出っ張りが摩耗、接触不良を起こしてガリが出ます。
プラグの方が固い材で出来てますので、ジャックが摩耗します。

アクティブの楽器の方がポット、ジャック共にガリが出にくいようです。
これらは、はんだ付けが出来れば自分で交換できます。
(パーツの規格↓参照)

(注17)ノブ:ツマミ
パーツの規格:インチとミリの規格がある。微妙にサイズが違うので、パーツ交換する時は要注意。
ジャックとプラグは規格の他にも、かみ合わせが悪いものがあり、新品でもガリが出ることがある。
僕は汎用性の高いパーツを使っています。(例:switch craft

接点復活剤(注18)を使うと一時的にガリは収まりますが、原因を取り除いたわけではありません。
あくまで、現場での応急処置と考えてくださいです。

(注18)接点復活剤:スプレー(塗布)する事によって、一時的に電子部品の接触不良が改善する薬剤。
一般的な接点復活剤は、溶剤をスプレー後に拭き取る必要があるものが多いです。
拭き取らないと、より悪化しますので、拭き取りが出来ない部分には使わないでください。
ポットなど拭き取れないパーツには拭き取らなくても良いものを使ってください。
そこで、とっても良い製品があるので紹介します。
この製品は大昔、音響さんに教えてもらい何十年も使ってます。
サンハヤトのリレー・クリーナー  

ペグ

一度だけ、不調になったものがありました。
チューニングしてると滑ったような感じで、弦がちょっと緩んでしまう。
どこのメーカーとかは言いませんが、本体価格を下げる為にパーツの精度を下げているんです。
2弦のペグだけだったんですが、現場でこの症状出たら仕事になりません。
迷わず、4つとも国産のグレード・アップ・パーツに替えました。

ペグを回しているのに音程が上がらない、下がらない時には、
ペグとナットの間の弦を”コンコン”と叩いてみてください。
ナットの滑りが悪く、スムーズに弦が動かない時があります。
”チューニングが合わせずらい”原因はナットの方に問題あることの方が多いです。

この場合は、自分の楽器の癖と割り切って、慣れることもありだと思います。
リペアに出して、ナットを交換してもらうと治ることが多いです。

トルク(回す力)を変えられるタイプもあります。
まれに、緩くなってくることがあり、その時以外には触れたことがありません。

弦を替えるときに、ペグを止めているネジやナットが緩んでないか確かめましょう。

指板

毎日弾き終わった時には乾拭きしましょう。
弦を替えるときには指板用のオイルを使って拭き掃除してください。
レモンオイル…色々あります。
塗装してある指板は、ボディと同じワックスでもよろしいかと思います。

ボディ、ネック

指板と同じ、普段は乾拭きで良いと思います。
ボディとネックの親指側はギター用ワックスを使って下さい。
弦を替えるときには、普段、弦の下になっているピックアップ回りなど掃除しましょう。
金属パーツにはワックスが残らないよう、しっかり拭き取ってください。

楽器を拭く布は、”ギター・クロス”という名称で売っています。
オイルを含んでいて、「綺麗になります!」という商品ではなく、
何も含んでいないクロスを使ってください。
また、タオル等では絶対に拭かないでください。
驚くほど瞬く間に、メッキ部分や塗装が剥げてきます。

やはり、弦も弾き終わったら乾拭きしましょう。
はっきり言って、気休めのような気がしますが…
丁寧に弦を拭いても、”長持ちした気”がしたことがないのです。

弾き終わったら弦を緩めるべきか!?

未だに結論が出ていない大問題です。

リペアマン、メーカーの人は、ほぼ100%の方が「緩めるな。」と言います。
この理由は、毎日緩めているとトラスロッドが日々、”引っ張られたり”、”緩められたり”を
繰り返して、”金属疲労”を起こし強度が落ちるからなんです。
しかし、新しい楽器の弦を張りっぱなしにしていると、どんどん順ぞりしてきます。
そして、トラスロッドの限界が来て、調整出来なくなります。
(弦を張りっぱなしにしていると、必ずこのような事態になる訳ではないのですが、なってからでは遅いのです。僕は過去にネックを1本ダメにしたトラウマがあります。)

友人のベーシスト達にも聞いてみたり、僕の経験則です。

  • 毎日弾く:緩めない。
  • 明日は弾かない:1/4音(半音の半分)程緩める。
  • 3日以上弾かない:半音緩める。

このようにして、4.5年経ってネックがあまり動かなくなったら、

  • 基本:緩めない。
  • しばらく弾かない:1/4音(半音の半分)程緩める。
  • しばらく弾かなかった楽器を弾く時:本番の3日前からチューニングして慣らす。
    必要なら、ネック調整をする。

これが、現在の僕(達)の方法です。

トラスロッドの金属疲労を避けるため、決して”ベロン、ベロン”になるまで緩めないでください。

同じ理由で、本来は弦を張り替えるときも1本づつ替えるのが正しいと思いますが、
掃除したいので、まとめて外しちゃってます。

弦関連の話は、まだまだネタありますので、次回も続きます

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